■ 執筆履歴

     −『実例でわかる新しい就業規則のつくり方』 
                  日本実業出版社(2007年11月1日発行)
     −『就業規則の見直しと運用の手引き』 日本実業出版社
        (企業実務臨時増刊号:2007No.625)−平成19年03月25日
     −『労働新聞社−社労士プラザ』−平成19年02月05日
     −『日刊工業新聞−雇用・年金がわかる「人材」最前線』−平成18年09月06日
     −『企業実務』 日本実業出版社−「あなたの疑問と悩みに答える実務相談室」
     −『経営者会報』 日本実業出版社
     −『就業規則と諸規定集』−平成07年07月(書籍及びFD)

  ■ 講演履歴 

     □平成19年11月(一般企業)
     ・「改正パート労働法について」
     □平成19年08月(社会保険労務士会)
     ・「特定社会保険労務士試験合格研修会」
     □平成19年04月(社会保険労務士会)
     ・「就業規則・諸規則の見直しの仕方」
     □平成18年09月(ピーエム・コンサルティングブレーン有限責任事業組合
     ・「勝ち組社労士になるためには」
     □平成18年05月(一般企業)
     ・「専門業務型裁量労働制のメリット・デメリット」
     □平成16年02月(一般企業) 
     ・「介護保険のしくみ」
     □平成15年09月(社団法人日本人材派遣協会)
     ・「平成15年度派遣元事業主研修(改正労働基準法に関して)」
     □平成15年04月(社会保険労務士会)
     ・「健康保険・厚生年金保険総報酬制に関して」   
     □平成13年10月(社会保険労務士会)
     ・「講師を頼まれたなら」 
     □平成13年10月(証券会社)
     ・「セカンドライフを迎えるにあたって」
     □平成13年09月(証券会社)
     ・「退職後の社会保険」   
     □平成13年08月(証券会社)
     ・「夫婦で考える年金」    
     □平成13年06月(証券会社)
     ・「あなたの公的年金」    
     □平成13年04月(一般企業)
     ・「企業のセクシュアルハラスメント」    
     □平成12年09月(労務管理協会)
     ・「講師業のすすめ」    
     □平成12年08月(専修学校協会)
     ・「21世紀に向けた人事労務管理のポイント」    
     □平成11年11月(専修学校協会)
     ・「企業の危機管理対策(雇用調整)」    
     □平成11年09月(人材派遣会社)
     ・「労働者派遣法改正について」    
     □平成10年11月(専修学校協会)
     ・「企業のリスクマネジメント」    
     □平成10年09月(労務管理協会)
     ・「社労士業務を成功させるためには」    
     □平成10年05月(都市銀行)
     ・「定年退職セミナー」    


  『企業実務』 日本実業出版社−「あなたの疑問と悩みに答える実務相談室」

    平成19年01月  「マイカー通勤における遅刻の取扱いについて」
    平成18年12月  「懲戒処分が確定するまでの自宅待機の取扱い」
    平成18年11月  「身元保証書への印鑑証明書の提出について」
    平成18年10月  「フレックスタイム制においての出社時刻の義務付けは可能か」
    平成18年09月  「上司が同行した出張における事業場外労働の適用の可否」
    平成18年08月  「失業給付が異なる65歳と65歳未満での退職の扱い」
    平成18年07月  「三週間無休となる社員への休日付与はどうするか」
    平成18年06月  「業務災害の自動車事故では労災と自賠責のどちらが有利か」
    平成18年05月  「健康保険料の労使折半割合を法定基準まで下げるには」
    平成18年04月  「シフト表により現場で働く役員に対しての欠勤控除は可能か」  
    平成18年03月  「パートタイマーの有給休暇の与えかた」
    平成18年02月  「産休、育児に制限を設けることができるか」
    平成18年01月  「年次有給休暇取得者を皆勤手当対象から外してもよいか」
    平成17年12月  「ボランティア系NPO活動期間中の給与の取扱いは」
    平成17年10月  「アスベスト対策の職場環境の安全衛生対策について」
    平成17年09月  「パートから正社員への身分変更の留意点」
    平成17年08月  「長年続けていた給与支給を銀行振り込みに変更したいが」
    平成17年07月  「企業に義務付けられている障害者雇用のあらまし」
    平成17年06月  「会議の日に限った有給休暇申請を時季変更できるか」
    平成17年04月  「新人歓迎会の帰宅途中の怪我は通勤災害となり得るか」
    平成17年02月  「定年延長を代替条件とする賃下げは不利益変更にあたるか」
    平成16年12月  「育児休業取得直後に出された退職願の取扱いはどうなる」
    平成16年10月  「業務請負の労働者従属性はどのように判断されるか」 
    平成16年09月  「社員を請負へ転換させようとする際の注意点」
    平成16年08月  「優秀な派遣社員を正社員として迎えたいが問題はないか」
    平成16年06月  「弊害の多いフレックスタイム制を廃止したいが」
    平成16年04月  「新しく営業所を設立するときの36協定はどうする」
    平成16年03月  「初めて派遣社員を導入する際の契約の結び方」
    平成16年01月  「休憩時間・終業時刻の変更と幼児を養育する社員への配慮」
    平成15年11月  「59歳以上の社員が退職する際の離職票の交付について」
    平成15年09月  「振替休日は時間外手当の抑制策とならないか」
    平成15年07月  「社会保険料の滞納」
    平成15年05月  「社員をすすんで安全衛生管理者に就かせる方法は」 
    平成15年03月  「社会保険加入基準−常勤から非常勤となる役員」
    平成15年01月  「過払いしていた家族手当を返還してもらう方法」
    平成14年11月  「飲酒運転と通勤途上災害−労働者に重大な過失がある場合」
    平成14年10月  「裁量労働制の導入手順と実務上の留意ポイント」
    平成14年08月  「出勤率8割未満の社員に年休を休日を与えるべきか」
    平成14年06月  「繁忙期に限って年休をとる社員への対応策」
    平成14年04月  「社員のアルバイトを決める際の法律上・実務上の注意点」
    平成14年02月  「育児休業・年休取得を昇給査定でマイナス要因とできるか」

  『経営者会報』 日本実業出版社

    平成16年08月  「65歳定年制−必ず65歳まで雇わなければならないのか」


【ダイジェスト】

平成18年11月  「身元保証書への印鑑証明書の提出について」


■身元保証書に併せて印鑑証明書を提出させることは問題ありませんか?また、その提出を拒否したことをもって不採用とすることはできますか? また、身元保証人について改めて教えてください。

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実印を押印した身元保証書及び印鑑証明を提出させることは、身元保証書に捺印された印鑑を証明することで、架空の身元保証書の作成又は偽造を避けるための必要な措置であり、問題はありません。
 また、印鑑証明の提出に抵抗したことをもって不採用とできるかという点については、身元保証書と印鑑証明をセットで提出するよう義務付けているのに印鑑証明の提出を拒否するということは、身元保証書の正当性を否定する行為ととられても仕方がなく、「身元保証書の提出拒否」と判断して不採用とすることは、企業の採用の自由からも問題はありません。
  問題は、採用内定後に当該事項をもって採用を取り消すことができるかという点ですが、この点については一概には判断することはできず、採用時に「採用内定の条件として、後日の身元保証書の提出」をはっきりと明示し、就業規則の採用内定取り消しの事由にもその旨を記載しているか、当人の行う業務は、身元保証書の提出を採用要件とするに相応なものかなどを考慮し慎重に判断する必要があります。

 身元保証人は、採用した社員が会社に損害を与えた場合、社員と一緒に損害賠償の責任を負う人です。身元保証人を求めることは会社の自由ですが、万が一の事態に備え、また社員が法令・会社規則を遵守し良識に基づいて働くための動機付けといった面から、義務付ける会社も少なくありません。 なお、会社として、身元保証人の根拠となっている「身元保証に関する法律」の内容を理解している必要があります。この法律で押えておくべきポイントは以下の点です。 

@期間を定めない身元保証の有効期間は3年間、定める場合は5年が限度であり、更新する場合は再度保証書を取る必要があること、 

A当該社員に業務上不適任または不誠実な行為があり身元保証人に責任が及ぶおそれがあるとき、または職務・勤務地等の変更により責任が重くなる場合は、その旨を身元保証人に通知しなければならないこと(この通知を受けた身元保証人は将来に向けて保証契約を解除可能)、 

B身元保証人の損害賠償責任は、使用者の監督の程度、身元保証を引き受けるに至った経緯、当該社員の任務・身上の変化などの一切の事情を勘案して裁判所が判断すること(実際に認められるのは損害額の2〜7割)


平成18年09月    「上司が同行した出張における事業場外労働の適用の可否」

■出張の場合、出張規程により、宿泊費、日当等が定められており、出張当日は労働時間の「みなし規程」により残業手当は生じません。これに対して上司に同行して出張した社員から「事業場外ではあっても上司に同行した出張で、みなし規程の適用はおかしい」との申出がありました。この場合、残業手当を支払わなければなりませんか。

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□原則、上司が同行した出張は事業場外労働のみなし労働時間制は適用されません。
 みなし労働時間制が採用できるのは、あくまで労働者の労働時間の管理ができない場合です。その上司が社内において管理・監督者であれば同行した場合はもちろん、労働者のスケジュールを逐一携帯電話等によって管理できるような状況であれば、労働時間を算定することが困難であるとはいえません。
 したがって、時間外・深夜割増賃金等の残業手当の支払義務は発生します。


平成18年05月  「健康保険料の労使折半割合を法定基準まで下げるには」

■これまで健康保険料の会社負担率と本人負担率の割合を6対4としておりました。これは、当社が加入している健康保険組合の多くの企業が採用している割合でこれに倣っていましたが、諸般の事情もありこれを法律どおり労使折半にしたいと考えています。不利益変更等に問われないでしょうか。

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□政府管掌の健康保険・厚生年金の保険料は折半が法律で定められているので、このような問題が生じるのは専ら健康保険の保険者が健康保険組合である場合と思われます。
 まず、健康保険組合は保険料の負担割合を組合規約において任意に設定することができるため、その割合は組合ごとに差異があります。そのため、健康保険組合の保険料の負担割合を変更したいということであれば、規約の変更にあたるため組合会の議決を経て、厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。したがって、一企業の希望どおりになるとはいえません。
 しかし、もともと保険料は折半負担であるが、会社が労働者負担分の一部を福利厚生として負担しているような場合であれば、会社の内規の問題ですので労働者への充分な説明のもとに変更することは可能でしょう。


平成16年12月  「育児休業取得直後に出された退職願の取扱いはどうなる」

■育児休業終了後、復職するなり「未消化分の有給休暇を取得して辞めます」と申し出がありました。会社として、この希望をどこまで受け入れるべきでしょうか?

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□納得しがたい点もあるかもしれませんが、この希望は全て受け入れなければなりません。育児休業の目的は「子の養育を行う労働者の雇用の継続及び再就職の促進」ですから、復職後継続して働くことが期待されます。しかし、これをもって労働者の退職を阻むことはできません。有給休暇についても、取得の申し出を拒否することはできません。

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■このような事態を招かない為、どのように育児休業制度を整備しておけば良いですか?

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□会社で作成している育児休業規則において、育児休業の対象者は「引き続き勤務する意思のある者」と定める方法もありますが、強制力はありません。そこで、休業者の職場復帰及びその後の労働意欲を高めるために以下の方法をおすすめします。

@休業者に現在の会社及び復職後に担当する業務の情報を発信する。
A復職が近づいてきた場合は、復職後の勤務時間等の労働条件について面談を行う。


平成16年10月  「業務請負の労働者従属性はどのように判断されるか」  

■請負が適正なものとみなされるための要件は何ですか?

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請負契約が適正かどうかは請負人が「労働者としての性格」を持っているかにより判断されます。この判断は実態に則してなされ、契約上は請負であっても実態は労働者であれば適正な請負とはみなされません。具体的には次の要件に該当すれば「労働者」とはみなされず「請負」とみなされます。 

@仕事の依頼等に対する諾否の自由があること 
A業務の内容及び遂行方法を自分で決定していること 
B勤務時間・場所を自分で決定していること 
C報酬が「仕事の完成」に対するものであること
(報酬が時給であったり欠勤控除や残業代の支給がある場合は「労働に対する報酬」となり労働者としての性格があるとみなされます)

※判断を補強する要素として、仕事に使う著しく高価な機械・器具を自分で準備していること、報酬が同様の業務に従事している労働者と比較して高額であることなどがあります。


平成16年09月  「社員を請負へ転換させようとする際の注意点」  

■社員であるデザイナーを、雇用から請負へ転換させることで、仕事の出来に見合った報酬を支払うことを考えています。この際の注意点は何ですか?

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以下の点に注意する必要があります。

@社員との雇用契約を解除し、請負契約を結ぶためには、請負契約の趣旨、請負となることのメリット・デメリットを説明し、本人の同意を得る 
A請負契約を結ぶ際には、トラブルを避けるために詳細な点まで定める 
B法的に正しい請負として認められるための要件を満たす

@について:成果に応じた報酬を払うことで成果に応じて報われること、自分で自由に時間を管理することができることなどを説明すると共に、今までのように労働者としての保護を受けることができないこと、将来会社の仕事量が減少した場合仕事の発注がなくなる可能性もあること、あくまでも「仕事の完成」が目的であるため目的の達成なくして報酬は支払われないことなどがあります。この説明については書面で行うことが良いでしょう。

Aについて:労働者の同意を得た上で、請負契約書の作成に入ります。この請負契約書の作成に当たっては、契約の中止・解除事項やその場合の損害負担、仕事の完成が遅延した場合の対応、契約に関する紛争の解決方法等不測の事態まで細かく定める必要があります。

Bについて:(請負として適正であるための要件は省略します。)なお、請負契約を結んだにもかかわらず実態は労働者であった場合は大きな問題(裁判紛争等)が生じることもあるので、適正な請負となるよう細心の注意を払う必要があるでしょう。


平成16年08月  「優秀な派遣社員を正社員として迎えたいが問題はないか」  

派遣社員が優秀なので、本人の意思を確認した上で正社員として働き続けてもらいたいと考えています。この点での質問です。

@派遣会社に了承をとらなければならないことはありますか?
A年次有給休暇等の労働条件を決めるにあたり、これまでの在籍日数を引き継ぐ必要はありますか?

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□回答は次のとおりとなります。

@派遣会社との契約が終了した派遣社員を正社員として直接雇用する場合は、派遣会社の了承を取る必要はありません。(派遣法第33条)しかし、派遣社員をすぐに雇用したいと考え、派遣会社と御社との派遣契約を途中解約してまで当該派遣社員を正社員として直接雇用することは、損害賠償・違約金等の問題が生じるので避けるべきです。

A引き継ぐ必要はありません。この場合は、当該社員は派遣会社を退職し別の会社である御社に転職することになるからです。


平成16年06月  「弊害の多いフレックスタイム制を廃止したいが」

当社では、技術開発部門、営業部門の社員のほぼ半数にフレックスタイム制を導入していますが、意思の疎通が難しくなった、対象者の時間に対するルーズさが目立つといった理由により制度の廃止を検討しています。この件で以下の点をご教授ください。

@会社からの一方的通告によって制度廃止をすることは可能ですか?
A制度廃止に伴う留意点はありますか?

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回答は次のとおりとなります。

@一方的通告による廃止は避けたほうが良いでしょう。フレックスタイム制を導入するためには、就業規則で始終業時刻の自主決定を定め、労使協定で対象となる労働者の範囲・総労働時間等の内容を定めます。よって、この制度を廃止するためには就業規則の変更および労使協定の破棄が必要となります。この「労使協定の破棄」については、様々な解釈がありますが、労使双方の合意の下破棄することが好ましいでしょう。

Aフレックスタイム制の廃止が社員の既得権を侵害する「不利益変更」にあたらないとしても、この制度に従い生活設計をしている社員もいることでしょう。また、「意思の疎通がとりづらい」という問題はフレックスタイム制を取り入れる会社には付き物であり、会社側にも相応の努力(社内LANの活用など)が求められます。よって、そもそもフレックスムタイム制を廃止する必要が本当にあるのかを再度吟味し、廃止やむなしとなった場合は就業規則の変更・労使協定の破棄について労使で綿密に話し合い、代替措置等を検討することが望ましいでしょう。「専門業務型裁量労働制」「みなし労働時間制」「1年・1ヶ月の変形労働時間制」について考慮してみるのはいかがでしょうか。


平成16年04月  「新しく営業所を設立するときの36協定はどうする」

■事業拡大のために新たに営業所をつくり、転勤・採用で10名ほどを配置する予定です。この場合の三六協定締結の進め方について教えてください。

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□法定労働時間を超えて、また法定休日に労働させる場合は三六協定を締結し、監督署に届け出なければなりません。この協定は、複数の事業場がある会社については各事業場ごとに締結する必要があります。
 三六協定締結の当事者は、「労働者の過半数を代表する者(労働組合がない場合)」です。ここでいう「労働者」とは、時間外・休日労働を行わない者を含めた当該事業所に使用されている全ての労働者を指します。「過半数を代表する者」は、@監督または管理の地位にある者ではないこと、A投票・挙手等の民主的手続により選出された者であること、という2つの要件を満たす必要があります。
 三六協定の作成については、「協定」の文字通りの意味のとおり、労使で交渉を行う必要があります。新営業所を立ち上げたばかりで、イレギュラーな事態の発生も考えられるので、その点も考慮に入れた時間外労働・休日労働の範囲を設定する必要があるでしょう。また、三六協定の内容と、実際の労働時間にズレが生じた場合は三六協定の見直しを行う必要があります。


平成16年03月  「初めて派遣社員を導入する際の契約の結び方」

■社員の退職を機に、初めて派遣社員を導入したいと考えています。社会保険事務その他雑務全般を担当してもらうことになります。それに伴い次の2点をご質問いたします。

@派遣社員は契約した職務しか担当させられないと聞きますが、何を担当してもらうか事細かに整理して提示しなければならないのでしょうか?
A契約期間を試用期間的な意味合いで、「最初1ヶ月、以降は3ヶ月更新」と定めることは可能でしょうか?

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回答は次のとおりとなります。

@可能な限り詳細に説明することが望ましいでしょう。派遣社員が行う業務の内容は派遣会社と結ぶ「労働者派遣契約」において定められますので、この契約を結ぶ際に派遣会社に対して業務の内容を詳細に説明しておきます。「社会保険事務」は比較的限定されますが、「その他雑務全般」はアバウトすぎるので、もっと詳細に説明しておきましょう。

Aできません。派遣法は「同一就業場所・同一の業務に3年を超えて派遣労働者を受け入れてはならない」としています。よって、「3ヶ月更新」と定めると、結果的に3年を超えてしまい、また派遣期間自体も非常に曖昧になり、このような定めをすることはできません。

 また、社員の能力等を見て正式採用を判断する「試用期間」という概念は派遣社員を受け入れる際には当てはまりません。派遣先となる御社は派遣社員を「雇用する」訳ではなく、あくまでも「労務の提供というサービス」を派遣会社から受けるのであり、派遣先が派遣社員を特定することはできません。「Aという派遣社員を1ヶ月の間試しに派遣してもらい、気に入ったので引き続きAを派遣してください」というように派遣先が派遣会社に要求することはできないのです。 

アドバイス:「派遣」という制度は上手に使えば非常に効果的ですが、様々な約束事がありますので、派遣会社とよく話し合って決定されてください。


平成16年01月  「休憩時間・終業時刻の変更と幼児を養育する社員への配慮」

■当社では現在、8時30分〜17時15分の就業時間で、お昼に45分、17時15分から15分間の休憩を取っています。これを来年度より、お昼休みを1時間とし、就業時間を8時30分〜17時30分とすることになりました。ところが、数人の社員から「終業時刻が延びるのは不利益変更ではないのか」、「子供の保育園の関係で、たとえ15分でも終業時刻が延びるのは困る」といった声があがりました。以上を踏まえ以下の点をお尋ねします。

@昼休みを1時間とすることは不利益変更ではないでしょうか?
A子を養育する社員に対してはどのような配慮を示せば良いでしょうか?

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回答は次のとおりとなります。

@
不利益変更には該当しないでしょう。・所定労働時間に変更はないこと・全社員の休憩時間が15分間延長されること・変更後の終業時刻である17時30分は一般の会社と比較しても遅いものではないこと等を考慮すると、既得の権利を奪い不利益な労働条件を課すものではないといえます。

A下記に掲げた育児休業法に沿った配慮を示す必要があるでしょう。
−3歳未満の子を養育する労働者が申し出た場合は−
「勤務時間の短縮等の措置」を行うことは義務。具体的には、以下のいずれかの制度を1つ以上導入する必要があります。
(1)短時間勤務制度
(2)フレックスタイム制度
(3)時差出勤制度
(4)所定労働時間外の労働をさせない制度
(5)託児施設の設置運営等、E育児休業制度に準ずる措置
※3歳以上小学校就学前までの子を養育する労働者が申し出た場合は「勤務時間の短縮等の措置(上記@〜Eのいずれか)」を行うことは努力義務になります。

 御社では、上記(1)「短時間勤務制度」または(3)「時差出勤制度」を導入されるのはいかがでしょうか。「3歳未満の子を養育する労働者については1日1時間短縮し、3歳以上小学校就学前までの子を養育する労働者については1日15分短縮する」としたり、「15分間早く出社し帰社することを許可する」等の方法をとることができるでしょう。 


平成15年09月  「振替休日は時間外手当の抑制策とならないか」

■休日の振替とはどのようなものですか?

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□休日割増賃金(3割5分)が発生する法定休日に労働させる必要がある場合、前もってこの休日を他の労働日と交換することです。これにより、本来休日であった日に行う労働は通常の労働となり、休日割増賃金は発生しません。その代わり他の労働日が休日となります。(例:日曜日の法定休日を同一週の木曜日に振り替える)

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■休日の振替を行う際に間違えやすい点とは?

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□休日を振り替えたことによって、結果として週の労働時間が40時間を超える場合は、超えた時間分について時間外割増賃金(2割5分)が発生します。(例:日曜日の法定休日を翌週の月曜日に振り替えた場合)

「1ヶ月単位の変形労働時間制」を導入すれば、1ヶ月を平均し1週40時間を超えない範囲であれば、振替休日を同一週内でなく同一月内にとることにより時間外手当は発生しないことになります。但し、この場合は月が始まる前にあらかじめ休日の振替を行う週を特定し周知する必要があります。


平成15年05月  「社員をすすんで安全衛生管理者に就かせる方法は」

■社員が責任を負うことを恐れて安全衛生推進者の講習を受けてくれません。業務命令以外で、受講させる方法はないですか?

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□回答:3つの方法を挙げます。
@安全管理義務がある事業主が責任を負い、安全衛生推進者は事業主の指示の下で業務を担当し、指示に故意に背く等の理由以外では責任を負わないことをまず説明する。
A「安全衛生管理計画」を労使相談の上策定し、安全衛生を管理する上での手順、達成可能な目的を設定することでやる気を喚起させる。
B事業主自ら職場の見回り、声かけを行うことで模範を示す。

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■安全・衛生委員会とは?法的な義務と、設置しないことへの罰則はありますか?

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□安全委員会は、危険度が高い業種については常時50人以上、その他の業種については常時100人以上の労働者を使用する事業場に設置が義務付けられており、衛生委員会は、業種を問わず常時50人以上の事業場に義務付けられています。この義務を怠った場合は50万円以下の罰金を課せられます。


平成15年03月  「社会保険加入基準−常勤から非常勤となる役員」

■非常勤役員への就任する専務取締役がおります。非常勤となった後は週に3〜4日出勤の予定であり、就業時間の定めはありません。この場合、非常勤役員になった後も社会保険への加入は継続するのでしょうか?

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□ご質問の場合、被保険者となる要件を満たしておらず、社会保険に加入し続けることはできないと思われます。ただし、最終的な判断は社会保険事務所等が下します。 
 社会保険の被保険者となる要件としては、@「常態」として事業主の管理の下で働いていること、A労働の対価として報酬を得ていること、の2点があります。非常勤役員について一般的に良く見られるのは、勤務をほとんどせずに一定の報酬を受けているケースです。この場合はこの2つの要件に該当しないので社会保険の被保険者とはなりません。しかし、非常勤役員であっても、ある程度勤務して対応する報酬を受けている場合もあります。このような場合は、下に掲げた「パートタイム労働者の社会保険加入基準」に当てはめて判断します。   

−パートタイム労働者の社会保険加入基準−
@ 1日または1週間の勤務時間が、同じ事業所で同種の業務を行う一般労働者の所定労働時間の概ね4分の3以上であること。
A 1ヶ月の勤務日数が、同じ事業所で同種の業務を行う一般労働者の所定労働日数の概ね4分の3以上であること。
上記@およびAをいずれも満たしていることが必要。ただし、「4分の3以上」はあくまでも目安であり、諸事情を勘案して社会保険事務所等が決定。

 ご質問のケースでは、「3〜4日出勤」という点だけを見ると常態として勤務しているといえなくもありませんが、「就業時間の定めは無い」という点、「常勤から非常勤に身分が変更された」という経緯から、今後も以前のように常態として勤務する可能性は少ないと思われます。また「パートタイム労働者の社会保険加入基準@」を満たすことも難しいでしょう。よって、ご質問の非常勤役員になる方については社会保険の被保険者資格を継続することはできず、資格の喪失手続きを行うことになるでしょう。 

※回答の冒頭で述べたように、最終的な判断は社会保険事務所等が行います。事前に問い合わせをすることをお勧めいたします。


平成15年01月  「過払いしていた家族手当を返還してもらう方法」

■社員が扶養配偶者がいなくなっていたにもかかわらず会社に申告していなかったため、家族手当(合計8万円)を不当に受給していたケースで質問です。なお、就業規則で「扶養配偶者がいなくなった翌月から家族手当は支給しない」と定めています。 
@返却してもらうのが筋だと思いますが、既に給与として支払っているため何らかの規制がありますか?
A返却してもらえる場合、給与または賞与から天引きすることは可能ですか?

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回答は次のとおりとなります。
@当該社員が受給していた過払い分の家族手当は、民法703条でいう「不当利得」にあたるので、給与として支払ったこととは関係なく返還を請求することができます。
A給与からの天引きは可能です。ただし、判例は「社員の生活を圧迫せず、かつ先延ばしにするのではなく迅速に行うように」と述べています。よって、8万円を一度に差し引くことが当人にとって厳しいのであれば、4万円を2回に分けて差し引く方法などが考えられます。 
アドバイス:社員に十分な反省を求めるとともに、返還させる額、時期について書面で残しておきましょう。 


平成14年11月  「飲酒運転と通勤途上災害−労働者に重大な過失がある場合」

■当社の営業課長が得意先との商談で飲酒し、酒気帯び運転で帰社途中に交通事故を起こして怪我をしました。酒気帯び運転が法違反であることは重々承知していますが、@社内では接待は業務と考えられていること、A社有車の持ち帰りは禁じていること、を考慮し、労災保険の適用を受けることができるか教えてください。

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□ご質問のケースでは労災の適用を受けることは可能と思われますが、酒気帯び運転という重大な過失のため労災給付の30%が減額されるでしょう。
労災が適用されるためには「業務遂行性」と「業務起因性」が認められることが必要です。「業務遂行性」とは「労働者として事業主の支配下にある状態」をいい、「業務起因性」とは「業務と怪我の因果関係」をいいます。今回のケースでは、酒食が伴う接待が会社において「業務」とされており、社有車の持ち帰りが禁じられていることから、営業課長が接待後、社有車で帰社する行為には「業務遂行性」が認められますし、帰社途中に事故にあったのですから「業務起因性」も認められます。
また、酒気帯び運転は道路交通法に違反しているため「重大な過失」となり、「休業補償給付(欠勤して無給の場合に支給)」等について支給額の30%が減額されます。ただし、「療養補償給付(医者にかかった場合に支給)」については減額されません。


平成14年08月  「出勤率8割未満の社員に年休を休日を与えるべきか」

■通院しながら働いているため、出勤率が8割以下になってしまう社員(入社2年目)の年次有給休暇の付与日数はどのようになるのでしょうか?また、それ以後の毎年の付与日数はどのようになりますか?なお、当人はもう少しで全快し、完全に復帰する予定です。 
※出勤率:出勤日数/全労働日(労働日として定められた日のこと)により算出します。

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□出勤率が8割以下の期間については、年次有給休暇の発生要件を満たさないため、年次有給休暇を与える必要はありません。その年の年次有給休暇の付与日数は「0日」となります。

年次有給休暇の付与日数は、以下のように増加していきます。

勤続年数:6ヶ月 (付与日数:10日)
勤続年数:1年6ヶ月 (付与日数:11日)
勤続年数:2年6ヶ月 (付与日数:12日)
勤続年数:3年6ヶ月 (付与日数:14日)
勤続年数:4年6ヶ月 (付与日数:16日)
勤続年数:5年6ヶ月 (付与日数:18日)
勤続年数:6年6ヶ月以上 (付与日数:20日)

よって、ご質問のケースでは以下のようになります。

勤続年数:6ヶ月 (付与日数:10日)
勤続年数:1年6ヶ月 (付与日数:0日)
勤続年数: 2年6ヶ月 (付与日数:12日)
勤続年数: 3年6ヶ月 (付与日数:14日)
勤続年数: 4年6ヶ月 (付与日数:16日)
勤続年数: 5年6ヶ月 (付与日数:18日)
勤続年数: 6年6ヶ月以上 (付与日数:20日)

※ご質問の社員は近く復帰予定とのことですので、出勤率が8割未満であっても、年次有給休暇を与え士気の向上を図ることもできます。ただし、出勤率8割以上の社員にとって不公平にならないように、8割未満の社員への付与日数は、たとえば「3日」など通常より減らすと良いでしょう。


平成14年06月  「繁忙期に限って年休をとる社員への対応策」

■仕事が集中する繁忙期に限って年次有給休暇を取得する社員がいます。業務に大幅な支障がでる人数ではありませんが、休まず働く社員との公平性を考えると納得ができません。そこで以下の方法をとっても問題ないか教えてください。

@時季変更権(労働者の請求する年休の取得時季を会社が変更する権利)を行使する。
A繁忙期に年休を取得した者には賞与でマイナス査定をする。
B繁忙期の年休取得を1名に限定する。

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回答は次のとおりとなります。

@ご質問のケースで時季変更権を行使することはできないでしょう。時季変更権は単に繁忙または慢性的な人手不足という理由で行使することはできません。当人の担当している業務の難易度、代替要員の配置等を考慮し、できる限りの努力を払った上で、それでも駄目なら・・という場合に行使が認められます。
Aマイナス査定を行うことはできません。法に違反することになります。
B限定することはできません。時季変更権を行使しない限り、年次有給休暇の取得を拒否したり、人数を制限することはできません。

よって、「年次有給休暇の計画的付与」および「多能工教育の実施」をおすすめします。